太陽光発電の今後の拡大に向けて①

はじめてスタッフブログを投稿します。

こちらでは、普段我々が取り組んでいる事業につきまして、現場視点の気づきなどを発信し、関係する皆様と共有する場にできればと考えております。

さて、今回は、太陽光発電の今後についてお話させていただきます。

日本の総発電量における再生可能エネルギーの割合は、2017年の時点で15.6%となっており、その内訳は、水力:7.6%、太陽光:5.7%、バイオマス:1.5%、風力:0.6%です。
(環境エネルギー政策研究所 2017年暦年の国内の全発電量に占める自然エネルギーの割合 https://www.isep.or.jp/archives/library/10930)

毎年、順調に拡大しているところではありますが、いくつか課題も存在しているかと思います。
太陽光(特に公共系等太陽光発電)に関して申し上げると、出力抑制を受ける可能性があること(2018年10月13日に全国初の実施)による蓄電規模の拡大、(太陽光に限らずですが)グリッドパリティに向けてシステム設置コストを引き下げる必要が挙げられるかと思います。(もちろん、この他にも課題はあると思います。)

①蓄電の普及、②グリッドパリティに向けたコスト低下、それぞれ、いくつか考えられる解決手段はあると思いますが、①新たなEVニーズを創出するビジネスモデル、②施工事業者のプロフェッショナル化が重要と捉えています。

このうち今回のブログでは、①蓄電普及に向けたEV活用の新たなビジネスモデルの可能性について考えてみます。

この問題は、結局のところ、どう蓄電するかという話です。蓄電池を設置すればよいわけですが、現状の蓄電池容量と価格では、ストレージパリティには及びません。
また、一般の住宅用太陽光設置家庭が、数十万円以上の蓄電池を買おうとするかどうかということで言えば、特に卒FIT家庭などは、わざわざ購入するまでには至らないという心理になりそうにも思います。

そうなると、いかにEVをその地域内に点在させ、蓄電池としての役割も持たせるかということを考えるわけですが、現状なかなかEVは普及していません。災害時用に車両提供などというニュースがEV拡大に関するニュースのメインかと思います。

企業が営業車として、EVを持つことも増えてきてはいますが、そのような企業がある地域ばかりではないので、いかに一般消費者が利用するかという視点で考えると、結局、ユーザーにとってガソリン車以上のわざわざEVを使うメリットがないといことなのだと思います。一消費者の観点から考えても、ここに尽きると感じます。

そして、これに対する解決策としては、EVに乗ることが自体が相当に楽しい顧客体験になること、それと、EV利用がモビリティ以外の意義をもつこと、ではないかと考えています。

当たり前のことですが、EVがガソリン車にはできない体験・感動を提供できる車両となれば、ユーザーはその体験を得るためにEVを利用するでしょう。つまり、ある意味普通で角の無い車両ではなく、エッジの効いた、コンセプトがシャープな車両で新たなイノベーター層の消費者を生み出すことができるかが鍵であると思います。

もう一つのモビリティ以外の意義を持たせるということ、これは、いかにブランディング・ストーリー付けを行うかということと密接につながるのですが、地域でEVを作って(ガソリン車と違い、EVは従来の完成車メーカー以外も作ることができるはずです。)、そのEVを使う電気は自分たちの地域で作った太陽光の電気にするなどにより、電源と経済を地産地消し自分たちで地域を守り発展させるために、その手段としてのEVの(MaaSとしての)利用があるのだと認識してもらうといったようなことです。このように理解してもらうための訴求・説明をしっかり行いながら、エコシステムを構築する必要があり、まさに地域単位の非常に大がかりな話にはなります。また、地方創生という観点でも、大変有意義な考え方に思えます。

さて、以上の通り述べましたが、現在実証が始まっているVPPという観点でも、今後EVの普及は間違いなく今後の再エネ普及の鍵になってくると思います。また、EVが普及がすれば、蓄電池生産の効率化・低価格化にもつながるはずです。
ただ、その普及を実現するためのビジネスはまだ確立されたものがありません。ある意味、モビリティ・エネルギー領域各プレーヤーにとっての今度のビジネスチャンスでもあり、各企業、地域、消費者の全員が求めるビジネスといえるでしょう。

そして、その実現には、関連する各社と自治体がオープンイノベーションの形で、単なる補助金ありきの仕組みではなく、ビジネスとして成立する新たなEV・太陽光(再エネ)社会を考える必要がありそうです。我々もその中で必要なリソースを提供し、その一助となってまいりたいと考えている次第でございます。

次回は上述②についてお話しできればと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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