太陽光発電の今後の拡大に向けて②

前回のブログでは、動く蓄電池としてのEV活用の可能性について、自動車完結型(自動車でのドアtoドア移動)社会である地方都市(に所在する企業として)の立場から、太陽光×EVへの考えを記載させていただきました。

今回は、太陽光発電の更なる普及拡大に向けた設置コスト低下について、その設置を行う企業の立場から、その可能性を述べることができればと思います。

純粋に建設に係るコストを抑える方法としては、いかにやり直しを減らすか、これがキーファクターの一つになると捉えています。

私どもも大変ありがたいことに、今日まで多くの案件のご依頼をいただいており、様々な現場の施工を行ってまいりました。
そのほとんどは、造成あるいは造成後の杭打ちなどの段階からの施工なのですが、一部、他社様が施工しきれなかった、あるいは品質を保てていない現場のやり直しという形でご依頼をいただき、施工を行った現場もございます。

これは私どもも経験して初めて分かったことなのですが、そうした現場のほとんどは、思った以上に、施工が進んだ段階で取り止めになっているケースが実は多いです。
現場自体が傾斜の険しい土地などで難度の高い現場であるといったことなどもも勿論あるのですが、自社での施工継続可否の判断のつく最初の段階でストップしているケースがあまり無いというのが特徴的です。

発注者様と施工会社様との間の契約は知り得ませんが、ストップ・やり直しとなれば、おそらく両社にとって、少なからず損失が発生しているのではと考えられます。そして、そのような損失も施工の初めの段階であれば小さくなるはずにもかかわらず、私どもの経験してきた範囲では、上述の通り、ある程度施工が進んだ段階でストップの判断をしているケースが多いのです。

なぜそのようなことが発生するのでしょうか?

長年、太陽光発電建設に携わり、数多くの失敗をして学んできた私どもととして、勝手ながらに思うのは、施工者全員が同じグランドデザインを描けていないことが影響しているのでは、ということです。

野立ての太陽光発電所の場合、土壌が良好とはいえない場所に建設することもありますが、図面通りに施工できない場合も多いものです。例えば、岩が出てきたり、地盤が緩すぎるなどして、当初の設計から変更を加えなければならないケースが生じます。
問題なのは、この時に都度リアルタイムで、全員が現場のグランドデザイン変更を理解できているか、ということです。

一か所杭打ちの位置をずらすということになれば、全体の杭打ちにも調整が必要となり、架台設置にも工夫を加えなければならない。また、それらを囲うフェンスにも干渉することになります。

こうした変更に伴うグランドデザインの修正をどこまでリアルタイムに漏れなく共有できるか、ということは非常に重要です。これができないと、これではフェンスを設置できない、他の杭打ちとの配列が崩れてしまっているなど、問題が起きていることに気づくのが遅れてしまいます。そのため、私どもは、どのような変更であっても必ず社内メンバーならびに同じ現場の社外関係者の皆様と都度共有することとしており、変更後の対応方針・方法も必ず意思統一することとしています。
当社では、このようにして以降、大きな修正を行うことや、やり直しとなることが圧倒的に減少しました。

メガソーラーともなると、多くの施工会社が関与し、作業員の数も増えるかと思います。そうした時こそ、リアルタイムで課題や変更内容を共有し、現場全体で意思統一を図ることが非常に重要です。こうすることで、工数は減り、施工会社の生産性が上がり、施工主の建設コスト低下にも繋がると考えています。

以上、グリッドパリティに向けて、どのようにkW単価を減少させるかということについて、建設現場の立場から重要と思われる点について述べさせていただきました。
当たり前のことですが、無駄な作業を減らすことは、施工主、施工会社どちらにとっても、コスト・納期の面で望ましいことです。

当社ではこれまで長年にわたり、太陽光発電所建設の効率・生産性向上を図ってまいりまいた。また、そのための知見やスキル、独自のノウハウを有しております。

九州エリアで太陽光発電所建設を計画中の施工主様がいらっしゃいましたら、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。きっとご満足いただける品質で、ご提供させていただきます。

さて、前回から2回にわたり、太陽光発電の更なる普及に向けて、現場の視点からその可能性と当社で大事にしていることを述べさせていただきました。
太陽光含め再エネの主力電源化は、遠い夢のような話ではないと考えています。当社ではその実現に向けて、現場視点で我々がなすべきことを常に考え、その実現のために、日々技術や仕組みの改良に取り組んでまいります。

先頭へ